指輪 サイズ直し工程
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先ず腕の最下部を糸鋸で丁寧に切り離します。 この時、過去のサイズ直し跡が分る場合はそこを。(中には年月が経過して、以前のロー付け箇所(鑞目/ろう目)がはっきりと分る指輪もあるんですね。)
これは「サイズ延ばし」の例ですから、切り離しは一ヵ所です。「縮め」の場合は、縮めるサイズ分を切りますから二ヵ所になるわけです。 |
芯棒に入れて、サイズ延ばしの番数分弱を、ゆっくりと丁寧に地金を広げていきます。(急激に力を加えることは厳禁です。)
上述のように、例えば3番延ばしなら3ミリ弱ほどの開きを作るわけです。 |
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開けた部分に、足し分(1番=1mm)の地金(18金・プラチナ)をはさみ込みます。 サイズ棒に入れてみて、微妙な誤差があれば調整します(やっぱり確認はしませんとね)。指定通りのサイズであることを確認したのち、左右二ヵ所の隙間をロー付け(溶接)します。 これで足し分の地金は完全に接合され、元腕と一体化されるわけです。 |
元腕の巾・厚みに揃えて、余分な地金を削っていきます。経験不足な職人さんに当たると、足した部分が元の腕より細く、また薄くなってしまうようなことが往々にしてあるんです。 我々小売業の人間にとって、よい職人さんに巡り合うこと、それがいかに重要なことかを痛感させられます。 |
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余分な地金を削り終え、仕上げに入っていきます。この写真のあと、最終的に腕を鏡面に磨き上げ、お客様のお手元に帰っていくことになります。(勿論「つや消し」の腕もありますが。) 「たかがサイズ直し、されどサイズ直し」だと私は思っています。単純なようでいて非常に奥の深い仕事、それが「サイズ直し」ではないでしょうか。 【指輪提供 U-MAN Jewel Company /写真提供 K’s Craft】 |