リング腕太加工 工程
石入りの指輪の場合、通常「中石」は外すことになります。
サイズ直しの場合の真下と違って、腕太加工の場合はロー付けの箇所が石に近すぎるからです。熱の伝わりが石に与える影響を避けるわけですね。(勿論サイズ直しの場合でも「断熱」はします。) |
裏抜き部分・腕の「最大幅」の場所・ロー付けの限界点等、各種の考慮点に配慮して、ベストの切り離し位置を決めます。 職人さんの経験がものを言いますね。 リングの一番太い所に合わせるのがベストのようですが、そううまくいかないところが腕太加工の難しい点です。 |
切り離した「元腕」よりも、太く厚い地金を用意します。
指定されているサイズ番数を考慮して、余裕を持った地金にする必要があります。 |
用意した地金の断面写真です。 本当に「太く、厚い」地金であることがよく分ります。 |
指定サイズに合わせてアール(カーブ)をつけます。 この辺り、職人さんの腕と勘が最大限発揮されるところです。 |
中石部分を断熱します。(水に浸した布などで石座の部分をそっくりくるんだりします。) その上で、用意した腕の地金をロー付け(溶接)するのです。 |
ロー付け完了後、元腕のデザインに合わせて形を整形していきます。
この指輪の場合は「台形型」の腕ですね。 下は、切り離した元腕写真 (貧弱ですよね)。 |
この後、外した中石を留め、腕を「鏡面」に磨き上げて完成です。 職人氏の見事な技術に支えられた一種のジュエリーリフォーム、それが「腕太加工」なのです。 【写真提供 K’s Craft】 |